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準備編2
「ゆーこちゃん手伝ってくれるかい?」
一方女性陣と言えば、春日井の祖母に案内された和室に座るように促された。
「手伝います」
座るに座りきれなくて小坂が言うのに、「まあまあ、初めてのお客さんは座ってるといいよ」と春日井の祖母は取り合わない。
「いいのかしら」
「よくはなさそうだけど……」
「でも、知らないお家で勝手に動けないもんね」
小坂と麻衣子と未夏は口々に言って、仕方なく座り込んだ。
「とりあえずお茶を一杯出したいんじゃないかな。そうめん茹でたって言うから、ほとんど仕事ないってことかもだけど」
そういった水葉は優美に呼ばれてバタバタと慌ただしく和室を出て行った。
「確かにそう言ってたわね」
なるほどと麻衣子がうなずき、
「だったら外を手伝った方がいいんじゃないかしら」
小坂が呟くと未夏はこくこくうなずいた。
「五人……ちびっこいれたら六人か、それだけ手があったら手伝うって言ってもたかが知れてるるわよ」
「船頭多くして……って言うもんねぇ」
「そうめん準備するだけで女手もそんなにいらないから似たようなものだけど」
普通コンロ三口しかないのに女手も五人だしねと麻衣子は言うと行儀悪く頬杖をついた。
「でも手伝わないのも申し訳ないし」
「そうだよねぇ。暑い中みんな頑張ってくれてるのに悪いよ」
「気にすることないって。男連中は騒ぐ時はぱーっと騒いで、片づけとか考えもしてないしね。終わった後に片づけを頑張ればいいのよ。だから今は休んでればいいんじゃない?」
きっぱり麻衣子が言い切ると残る二人もそれで納得してうなずいた。
2007.12.07 up
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
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